新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、東京五輪・パラリンピックの海外選手団の埼玉県内での事前合宿にも影響が出てきた。上尾市と伊奈町は10日にオーストラリアの合宿中止を決定。12日には東松山市がキューバの合宿受け入れを断念した。相手国から具体的な連絡がなく準備作業が滞っている自治体もある。
東松山市には、6月末~7月初旬にキューバの格闘技系競技の選手らが来る予定だった。
市によると、大東文化大学のキャンパス内の体育施設で練習してもらうことにしていたが、大学側がコロナ下での学生への対応に注力するため受け入れができなくなったという。市内には代替施設がなく、キューバ大使館や大学、市と最終的に調整して決めた。
「すごく楽しみに待っていたんですが……」。豪州の五輪柔道代表選手が事前合宿に来られなくなった上尾市のスポーツ振興課の担当者は、残念そうに話す。
同市は伊奈町、県とともに2018年に合宿受け入れを決めた。ホストタウンにもなり、小学生と豪州の柔道選手が一緒に練習するなど、交流してきた。
だが、豪州側から先月21日、中止したいと連絡を受けた。新型コロナの感染拡大状況や、日本人相手の練習ができないことなどが背景にあったという。
選手らは上尾市の県立武道館で練習し、伊奈町の県民活動総合センターに宿泊する予定だった。上尾市の駅などには歓迎の横断幕を掲げる計画もあった。担当者は「地域の応援の思いを選手たちに届ける方法を考えている。今後日本での国際大会などのために来日する際は、協力できることがあればしたい」と話す。
受け入れへの調整を続けているものの、難航している自治体も複数ある。
越谷市はポルトガルの五輪卓球代表選手を受け入れる予定だが、ポルトガル側から日程や来日人数などの連絡がまだないといい、「このままでは準備が間に合わず、合宿が実施できるか厳しい」と担当者。卓球台5台(約100万円)は市で購入済みだが、移動用バスなどはこれから借りなくてはならないという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル